運送業界も低迷から脱出している?
以前より運送業界は全体的に見て『儲からない業種』だということを申しておりますが、その中でも『儲かっている会社』は確実に存在しています。
平成25年を境に、運送料金低下や人件費高騰、コンプライアンス強化が相まって、どうしようもなくなった運送業界は、採算の取れない客には値上げ、取引停止を強行し、平成26~28年のデータでは、業界の景気は上向いていることが見て取れます。
しかしながら101台以上の車両保有数ですら営業利益率1%と、2015年の全産業約4%を大きく下回ります。
参照:経営分析のススメ
3%の違いは少ないように見えますが、かなり大きな差で経営にも大きく響きます。
例:売上10億 営業利益率4% 4,000万
営業利益率1% 1,000万と、その差なんと3,000万!
大型トラック2台買えるほどの金額…バカにできませんね。
それでも100台以上の企業は一応儲かってると言えますし、ここ数年の実績からいけば徐々にではありますが、右肩上がりになるかもしれません。
闇の部分は発表されていない
全体的に見れば右肩上がりの傾向は間違いありませんが、細かい数字を見ていくと実は違った側面が垣間見えるんですねぇ。
私の友人が勤務している運送会社では経常利益約4%と優良企業ですが、その内容を聞くと驚きの事実が判明しました。
売上高 100億
経常利益 4億
車両数 400台
いいよね!うらやましい!ちょっとくれ!
101台以上の運送会社でも数字はかなり良い部類に入ります。
この会社のメインは陸路を走る「陸運」と、船舶の荷降ろしを行う「荷役」の2本柱で売上を上げており、陸運部門では月に2,000万の赤字を出しているそうです…。
年間2億4,000万の陸運部門赤字を、荷役部門の6億4,000万の利益で補っており、実質、荷役のおかげでなんとかやってる状態で、運送業としての利益は出ていません。
運送だけで利益を出している企業は当然ありますが、これだけの企業規模でも赤字になってしまう運送業がある事実には衝撃を受けました。
中小零細企業はどうする?
この話を聞けて良かった!
当たり前の方法(値上げとか?)では同じ結果を招くことが分かったので、資本力の弱い中小零細企業は意思決定の早さで様々な変化球(アイデア)を投げて新たな方向性を見出さなければ生き残る道はありませんね。