運送業は儲かってません
まずはじめに申し上げておきますが、運送業は儲かってません!
私の経験上よくある話がこんな感じで
別業種の人「運送業?儲かっていい給料貰ってんでしょ~。いいなぁ。」
別業種の知人「役員だし金は持ってていいよなー。」
同業者「会社儲かってんでしょ?だって儲かってそうな顔してるもん。」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやw
別業種の人なら百歩譲ってわかりますよ、役員だしね。いい給料貰ってるだろうとは逆の立場でも思いますよ。
しかも儲かってそうな顔ってなんやねん!
同業者が「儲かってそう」ってよく言うよね。
これ見てないのかな?
平成26年度のデータですが営業利益率2,192社平均̠▲0,9%です。
1億の売上で900,000円のマイナスとかなり儲かっていないことが結果として出ています。
平成28年度のデータでは若干の改善が見られ101台以上ではプラスに転じていますが、それ以下では相変わらずマイナス域です。
この原因としては燃料費の高止まり、人手不足でのコストアップ、有給休暇取得義務化などが大きな要因となっています。
コストアップに見合った運送料金設定の動きも最近では見られますが、中小ではほぼ横這いか下げの傾向が続いており厳しい経営状態は変わりません。
運送業全体としてはマイナス傾向なので
あなた「運送業界大変みたいだけど大丈夫?」と言ってあげてください。
だいたい話に乗ってきますからw
トラック経費の種類
運送業のトラック1台に必要な経費は何か?を書いていきましょう。
変動費(売り上げにより変動する費用)、固定費(毎月固定の費用)
変動費
- 燃料費
- 交通費
- 修繕費(タイヤ、オイル、整備など)
- 人件費(固定給分、賞与など)
固定費
- 車両費(返済、リースなど)
- 人件費(ドライバーの残業や事務員の給与)
- 役員報酬
- 福利厚生費(健康保険、厚生年金、労災保険、退職金積立など)
- 車両保険
- 保険料(任意保険、貨物保険含む)
- 車検費用
- 自動車税
- 地代家賃(駐車場、事務所など)
- 宣伝広告費
- その他費用(接待交際費、事務用品など)
会社により項目が増えることはありますが、ざっくりとこんな感じでしょうか。
トラック1台(10トン車)1カ月の内訳
運送会社の規模や取引先によって特に売上の部分は大きく左右されますので、今回はこちらのサイトの大型車売上平均を使用します。
※
車両保有数は10台とします。
経費についてはこちらのサイトを参考に自社の数字も踏まえていきます。
売 上 940,000
燃料費 216,200(売上の20~25%)
交通費 50,000
修繕費 40,000
人件費 350,000(ドライバー残業含む)
車両費 158,333(取得9500,000÷5年・60回)
役員報酬 50,000
福利厚生費 70,000
保険料 20,000
車検費用 10,000
自動車税 5,000
地代家賃 30,000
宣伝広告費 1,000
その他費用 2,500
経費合計 1,003,033
合計 ▲63,033(▲6.3%)
地域や取引先の違い、経営者の方針により各項目に相当な差がありますので、あくまで参考程度にと思います。
5年を経過している車両であれば、それ以降の車両費はかかりませんから全体的な利益としては▲0.9%程度に落ち着くんでしょうね。
ですが車両費を見込んだ利益を出していかないと劣化による車両の買い替えできませんので、しっかりと原価に加えましょう。
燃料費の高止まり、人手不足での人件費コストアップ、拘束時間規制強化での売上高の減少が運送業では大きな問題となっており平均的には▲0.9%となっていますが、この問題への取り組み方によっては今後さらに格差が広がってくることでしょう。
まとめ
否定せず「そうなんだよね。儲かりすぎて笑いが止まらん!」っていつか言いたい…。
いってやる!