壮大なゲームだと思え

「人生は壮大なゲームである」との教えから、会社の成長を実現させようと模索している一役員の戯言である。ちなみに「人生は壮大なゲームである」は今思いついたので誰の教えでもない。

【運送業は低付加価値】ここで差をつければ最強の武器となる

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約1か月と、久しぶりの記事となりました。ヨジチチでございます。

同業他社の方の一部を除いて今も厳しい経営状況かと存じますが、ドライバーやその家族、お客様に『ありがとう』と言ってもらえる会社にしたいものですね。

 

しかし、雇用の面では『全業種より2割安い給与』、『全業種より2割多い労働時間

売上や経費の面では『運送料金の横ばい、減少』、『燃料の高騰

ここをなんとかしたいのは共通の認識としてあるでしょう、実際はかなり難しいといえるでしょう。

ここを解消する手段として何を思い浮かべるかは企業により違いますが、私個人としては『高付加価値』ではないかと考えています。

 

 

運送業の付加価値

簡単に説明すると全く同じモノやサービスを扱っている企業なのに、わざわざそこの会社を選びたいと思える理由が付加価値です。

これは価格、接客、スピード、認知度など色々な要素がからんできます。

詳細は⇩を確認して下さい。

docoic.com

製造業では企業規模によって付加価値の差が約2倍と大きく違いますが、運送業ではこの差が約1.18倍と非常に小さいです。

ここには労働集約型産業である運送業の人件費割合が高く、人の手を使うことが多いことがあります。

完全自動運転になるようであれば改善されるかもしてませんが、まだ先になりそうです。

 

yojichichikun.hateblo.jp

 

employment.en-japan.com

運送業の長い歴史の中で10台の企業と500台の企業でも付加価値が1.18倍しか差が出ていない業界であるということは先人達が考えたけど見つからなかったということです。

ここに打開策が必ずあるはずだ!』と私個人は思っていますが、この話を同業他社にすると大体バカにされますw

 

 

運送業は儲からない業種と思い込んでる

以前の記事でも書いたように今後10年は厳しい状況が続くと私も感じています。

 

yojichichikun.hateblo.jp

 そこから好転しある程度上向き、儲かる企業も多く出てくるでしょうが、これはあくまで社会の流れに乗っただけで『ただのモノを運ぶ会社』には変わりありません。

その10年の間にも、その他大勢の運送会社ではドライバーも辞め、採用もできなくなり、そもそも上向きになるまでもたない可能性もあるでしょう。

これを理解しているはずなんですが返ってくる言葉は「無理」、「出来ない」のニュアンスが多い。

今まで考えて答えが出なかったから諦めたのかもしれませんが、なんか寂しですね。

 

 

そういう私も答えが出せていない

まぁこんなこと言ってる私もいまだに答えが出せていませんw

  • 他では真似出来ない細かい作業をする。
  • 荷主企業または社員に必要なサービスを加える。
  • 社員教育で社員レベルを上げる。

どれもパッとしないのが現状ですが、『1万円高くてもあなたの会社に頼みたい!』と思われる企業にありたいですね。

 

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運送会社の経営者はコミュニケーション能力が低い

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他の業種に比べ運送会社の経営者はもとより、そこで働いているパートナーは『コミュニケーションをとることについてあまり重要視していない。』

パートナーと表記しているのは従業員、社員という言葉が私自身あまり好きではないので変えています。特に従業員は『従う』が奴隷のような感覚をもってしまうのでイヤだから。

 話がそれましたが、『コミュニケーションをあまり重要視していない。』では少し語弊があるので正しく言い換えるなら『コミュニケーションがとれないから重要視しなくなった。』でしょうか。

ある程度の規模で内勤のパートナーも多い会社では一緒に過ごす時間もあり、ある程度のコミュニケーションがとれているでしょうが、ドライバーとして働いているパートナーとは1度会社を出てしまえば帰ってくるまで部下も上司もいない1人の時間になるので、そんな時間がとれなことは明白でしょう。
現在でも1日朝、夕合わせて1時間あれば御の字ですかね。

 

 

コミュニケーションをとる優先順位が低かった

現在事業承継が視野に入っている年代60歳以上の経営者が多くの時間を過ごしてきた運送業の黒歴史ともいえるブラックな状態がそうさせたのではないでしょうか。

ドライバーで稼ぎたい人が多く寝る時間が少しあれば残りの時間は働きたい、そのドライバーが稼げば経営者はウハウハなので働かせる、行政は見て見ぬふりと24時間営業のような体制でドライバーと顔を合わせないこともザラだった時代がありました。

ドライバーは稼ぐ、経営者は稼いで会社が儲かる、行政は放置と、ドライバーと経営者側の利害が一致していたし仮に退職しても次がいくらでもいたのでWINWINのいい時代だったのかもしれません。
事故はメチャメチャ多かったですがね。

 

 

 

 この状態が長い年月をかけて変化

長い年月をかけて徐々に変化していることに薄々感じながらも無視していたのかもしれません。

ここ6・7年は特に著しい変化が見られ、もう無視できないほどまできており『運送料金の下落、燃料高騰、働き方改革、人手不足』と問題は山積みです。

運送料金の下落は2018年現在ではほぼ底を打った形になっており、すこーーーーしずつではありますが上昇傾向になっています。

燃料高騰については正直先が見えない状況ですが、大きく下がることはないでしょうが大きく上がる可能性だけがある高止まりの状況ですかね。

働き方改革と人手不足が一番大きな課題であり、運送業では一番頭が痛いところになります。
運送業は全業種に比べ『労働時間が2割多く、給料が2割安い』と言われています。

単純に労働時間を2割削って給料を2割多く出すことは、すでに薄利である運送業にとって超スーパーミラクルウルトラ難しい課題です。

これに付随して人も寄ってこない業種となったことによりコミュニケーション(職場環境)がより大事となってきました。

 

 

昔の経験が仇となる

メディアでは『働き方改革』を掲げ大企業では週休3日制を検討するなど、隣の芝生が青く見えることでイケイケだった今の40代後半、50代のドライバーまで考えが変わり転職を視野に入れるようになりました。

しかし会社全体を考える経営者側はそう簡単に対応できず、それに見合った運送料金を受け取れなければ死ねます。

そしてここで問題なのが『良かった時代の行い』になります。

コミュニケーションという重要なものを無下にしてきたことが利害が一致しなくなった今、会社の方針を伝えることもできない関係になってしまっていることがドライバーからも不安となり転職の後押しをする形になっています。

 

 

運送業でできるだけコミュニケーションをとる対策

拘束時間が長いことや帰ってくる時間がバラバラなどの問題はありますが、コミュニケーションをとれる場を思い切って作ることが大事でしょう。

 

実際に各運送会社で取り組んでいる事例として

  • 1日1人帰ってくる時間を早くして30~1時間の個人面談をする。
  • 1日1人の仕事についていく。
  • 思い切って1日仕事を空けて全員で懇親会や将来に向けての会議を行う。

など色々な取り組みをしている会社があります。

このような事例は主に40代前半の経営者が積極的に行っている印象がありますが、勇気?を持ってベテランの経営者にも行ってもらいたいですね。

運送業という業種上、仕事中のコミュニケーションがとれない場合は昔とは変わっていませんが、なにかしら変化をあたえることで良い方向に向かう可能性は十分あると思います。

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運送費は軽視されがち【荷物を送れればいい】

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私と同じ運送業で苦悩の日々を送っている方こんにちは。こんばんは。

逆に順調すぎて笑いがとまらん方もこんにちは。こんばんは。

運送業なんて興味ない方こんにちは。こんばんは。ヨジチチでございます。

 

 

3大運送費用

製造業、小売業などなど商品を運ばなければいけない企業では『運送費』が必ず発生していますよね?

単純に運送費といってもその中身は大きく「送費・保管費・荷役費」の3つで構成されており必要に応じてその割合は変わってきます。

 

  • 輸送費・・・積込地から降し地まで運ぶ費用
  • 保管費・・・大口の荷物を一括で保管、管理する費用
  • 荷役費・・・トラック、船舶、倉庫での積み降しの費用

 

輸送費が発生すれば積込、荷降しをドライバーが行う場合においては必ず荷役費も発生しなければいけませんが、実際にはこの荷役費が発生する状況は船舶や倉庫など荷役作業のためだけに人員を配置しなければいけない場合にしか発生していません。
トラックなどの積降しでは運送費に含まれていることが大半で、これがまかり通っています。

これには様々な要因があり、以前のブログでも触れています。

 

yojichichikun.hateblo.jp

 

 

輸送費は削りやすいコスト

コスト削減するにあたり企業はどこから手を付けていくのか?

製造業を例に考えてみます。

 

人件費

占める割合が大きく効果は抜群だと思いますが、社員のモチベーションは下がりますので一時的な効果しか見込めず長い目で見れば効果は薄いでしょう。

アルバイトやパートの削減も一時的な効果は大きいかもしれませんが、しわ寄せがくることが容易に想像できるため効果は薄いです。

 ここの改善策があれば実行するべきでしょう。

 

賃料

これも大きな割合を占めますが、そう簡単にはいきません。
作業をストップさせる、機械の移動をするなどのデメリットも多くなかなか踏み切れませんからね。

 

役員報酬

役員報酬をどれだけとってるかで効果は違いますが、これ意外と実行しない。
手っ取り早く業務には支障でないんだけどね。効果はまぁまぁですかね。

 

原材料費

商品を売る製造業では「」はかなり大事な要素、この原材料費を削ることは会社の信用にかかわることなので慎重に進めないと重症を負うことになりかねません。
効果は大きいがリスクも大きい。

 

細かい経費

コピー用紙は裏紙使う、電気はこまめに消す、エアコンはつけないなど細かい経費削減は簡単にできる反面効果は非常に薄く、社員のモチベーションが下がる可能性も秘めています。

 

 

そこで登場「運送費」

ここでいう運送費は「積込地から降し地まで運ぶ輸送費」のことを指します。

古の時代からの悪い流れが原因とはいえますが、この輸送費は結構軽視されがちで「荷物を送れればいい」と考えられていますので経費削減の一番手に名を連ねることが多いです。

まぁ間違ってないんだけどね!

この考えから自社の必要車両数を満たしていれば後は安ければよく、商品に傷がつけば運送会社へ請求すればいいし、事故なんて年に1回も起こらないから気にしない。

安い運送業者へまるで携帯電話のように乗り換えている企業もありますが、これ正解よね。

だって安く運ぶ業者はいっぱいいるもんね。

料金でしか勝負できない運送会社が悪い。

それが原因で輸送費は保管費、荷役費にくらべ下がり幅が大きくなっています。

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しかしこれからは

 

yojichichikun.hateblo.jp

 ここにも書いていますが経営悪化が続く運送業界は人件費高騰、人手不足の影響もあり、以前のような乗り換えキャンペーンを行えるほど余裕がありません。

目先の利益を求めて今後も乗り換えを続けるようでは、気付いた時には「運んでくれる会社がいない」なんてことになりかねませんし、そこから新たな運送業者が見つかったとしても足元を見られ運送料金の大幅アップで大打撃を受けるかもしれません。

長い目で見るなら今から運送業者を抱えておける運送料金を掲示するほうがいいかもしれませんね。

 

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【運送業】トラック1台の経費ってどのくらいなの?

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運送業は儲かってません

まずはじめに申し上げておきますが、運送業は儲かってません!

私の経験上よくある話がこんな感じで

別業種の人「運送業?儲かっていい給料貰ってんでしょ~。いいなぁ。

別業種の知人「役員だし金は持ってていいよなー。

同業者「会社儲かってんでしょ?だって儲かってそうな顔してるもん。

 いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやw

別業種の人なら百歩譲ってわかりますよ、役員だしね。いい給料貰ってるだろうとは逆の立場でも思いますよ。

しかも儲かってそうな顔ってなんやねん!

同業者が「儲かってそう」ってよく言うよね。

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これ見てないのかな?

平成26年度のデータですが営業利益率2,192社平均̠▲0,9%です。

1億の売上で900,000円のマイナスとかなり儲かっていないことが結果として出ています。

平成28年度のデータでは若干の改善が見られ101台以上ではプラスに転じていますが、それ以下では相変わらずマイナス域です。

この原因としては燃料費の高止まり、人手不足でのコストアップ、有給休暇取得義務化などが大きな要因となっています。

www.somu-lier.jp

コストアップに見合った運送料金設定の動きも最近では見られますが、中小ではほぼ横這いか下げの傾向が続いており厳しい経営状態は変わりません。

運送業全体としてはマイナス傾向なので

あなた「運送業界大変みたいだけど大丈夫?」と言ってあげてください。

だいたい話に乗ってきますからw

 

 

トラック経費の種類

運送業のトラック1台に必要な経費は何か?を書いていきましょう。

変動費(売り上げにより変動する費用)、固定費(毎月固定の費用)

 

変動費
  • 燃料費
  • 交通費
  • 修繕費(タイヤ、オイル、整備など)
  • 人件費(固定給分、賞与など)

 

固定費
  • 車両費(返済、リースなど)
  • 人件費(ドライバーの残業や事務員の給与)
  • 役員報酬
  • 福利厚生費(健康保険、厚生年金、労災保険、退職金積立など)
  • 車両保険
  • 保険料(任意保険、貨物保険含む)
  • 車検費用
  • 自動車税
  • 地代家賃(駐車場、事務所など)
  • 宣伝広告費
  • その他費用(接待交際費、事務用品など)

会社により項目が増えることはありますが、ざっくりとこんな感じでしょうか。

 

 

トラック1台(10トン車)1カ月の内訳

運送会社の規模や取引先によって特に売上の部分は大きく左右されますので、今回はこちらのサイトの大型車売上平均を使用します。

車両保有数は10台とします。

trucknet.client.jp

経費についてはこちらのサイトを参考に自社の数字も踏まえていきます。

トラック運送事業の運賃・原価に関する調査調査報告書

 

売 上    940,000

燃料費    216,200(売上の20~25%)

交通費     50,000

修繕費     40,000

人件費    350,000(ドライバー残業含む)

車両費    158,333(取得9500,000÷5年・60回)

役員報酬    50,000

福利厚生費   70,000

保険料     20,000

車検費用    10,000

自動車税     5,000

地代家賃    30,000

宣伝広告費    1,000

その他費用    2,500

経費合計 1,003,033

合計     ▲63,033(▲6.3%)

 地域や取引先の違い、経営者の方針により各項目に相当な差がありますので、あくまで参考程度にと思います。

5年を経過している車両であれば、それ以降の車両費はかかりませんから全体的な利益としては▲0.9%程度に落ち着くんでしょうね。

 ですが車両費を見込んだ利益を出していかないと劣化による車両の買い替えできませんので、しっかりと原価に加えましょう。

燃料費の高止まり、人手不足での人件費コストアップ、拘束時間規制強化での売上高の減少が運送業では大きな問題となっており平均的には▲0.9%となっていますが、この問題への取り組み方によっては今後さらに格差が広がってくることでしょう。

 

まとめ

否定せず「そうなんだよね。儲かりすぎて笑いが止まらん!」っていつか言いたい…。

いってやる!

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物流業界期待のトラック自動運転本格的導入はいつ?

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普通車の自動運転はかなり進んでいる

一概に自動運転といっても、どこまでは自動かによってそのレベルが変わり、日本政府や米国運輸省道路交通安全局では以下のようなレベルを定義している。

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中国では自動運転の開発に国もかなり力を入れているようで、世界でも最先端を行っているようです。実際に中国に住む友人も自動運転に関わらずIT技術はめちゃめちゃ進んでいて日本など足元にも及ばないんじゃないか?とも聞いています。

現在一番進んでいると思われる中国ではレベル3.5くらいでしょうかね。

j.people.com.cn

量産体制に入るようですが乗るのはちょっと怖いね…。

日本は世界的に見ると少し遅れをとっているようですが、日産自動車が公道テストを行った動画を見ると遅れている感じはありません。

www.youtube.com

 

2020年に市場へ!2021年に市場へ!なんて情報もありますが、普通自動車に関してはレベル4~5も夢ではないのかもしれません。

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昔アニメや映画で見たこれも近いうちに実現しそう…?

 

 

トラック自動運転導入はいつ?

Googleや中国企業の中国第一汽車集団など多くの企業が開発に向けてしのぎを削っている状況ですが、普通車に比べ開発は進んでいません。

ロサンゼルスからフロリダ州ジャクソンビル約3,862kmの走行実験の成功や、日本では浜松サービスエリアから遠州森町パーキングエリア約15kmを3台の隊列走行実験に成功したと話題にはなっていますが全体的なレベルは2~2.5程度で、まだまだ本格的な自動運転といきません。

www.itmedia.co.jp

 

 

レベル4も?

国内初のレベル4デモ走行が行われたようですね。

response.jp

 

隊列走行まではスムーズにいきそう

トラックの自動運転は高速道路を使用した長距離輸送(隊列走行)をメインに開発が進んでいて、この部分では本格的な導入が2~3年以内には期待できそうです。

この隊列走行が実装される見通しが経つ頃には、高速道路の至るところへ物流倉庫ができることでしょう。

仮に3台の隊列走行で800kmの長距離輸送をした場合に人件費が3分の1に加え、ドライバーの質によって上下の激しい燃料費も削減できることから人手不足に悩まされる運送業界にとって少しでも早く本格導入してもらいたいですね。

 

 

問題点も

導入に伴って高速道路の整備や法規制もかなり必要ではないか?(労働基準法はトラック運転者が適用?など)

事故やトラブルの対処は絶対に必要で、そのためのドライバー教育はどうするのか?

 

よく問題にあがることとして現在の長距離輸送ドライバーが職を失うのではないか?と聞きますが、個人的には現在不足している地場運送(近・中距離)に流れていくのではないかと思っています。

 

 

 

一般道での導入はほど遠いから安心できない

これは個人的な意見ですが、高速道路の隊列走行については問題はあるにしろ本格導入も近いと思います。

しかし、一般道の自動運転トラックについてはほぼ情報がなく開発は止まっているといっていいかもしれません。

小口配送や4~10トン車の近・中距離輸送など複雑な一般道を通る仕事では年々人手不足の声が上がり、拘束時間・労働時間の関係から新たな働き手がいない状況で、これから先さらに高齢化が進みドライバー不足は避けられません。

行政も重い腰をあげて対策をしていますが、自動運転は業界の一部にしか過ぎないことを理解し、もっと本格的な対策をして将来的なドライバー不足解消に尽力していただきたいと願います。

 

yojichichikun.hateblo.jp

 

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【Gマーク】今後物流業界でデフォ化する認定制度

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トラックでよく見るこのマークとは?

国土交通省が平成15年に新設しゴリ押ししている『安全性優良事業所認定

Good「よい」Glory「繁栄」の頭文字をとって『Gマーク』と呼びます。

荷主企業が、より安全性の高いトラック運送事業者を選びやすくするために、安全性評価委員会の評価を経て、全日本トラック協会(全国貨物自動車運送適正化事業実施機関)が認定した事業所のことを指します。

簡単にいうと「一定の安全性がある事業所だから安心して使ってね!」というもの。

ここ数年で物流業界内でもやっと浸透してきたという印象でしょうか。

Gマークについて | 全日本トラック協会

 

 

Gマーク有効期限

このGマーク、1回とってしまえば永久的に有効かといえばそうではありません。

初回認定で2年、初回更新で3年、それ以降で4年の有効期限となり、常に更新しなければならず年間を通さないとクリアできない基準もあるのでGマーク取得を目指す運送業者としては常に意識しつつ業務にあたらなければいけません。

 

 

Gマーク認定事業所数

車を運転していると結構見かけることが多いので簡単に取れるんじゃないの?とお思いでしょうが実際の認定事業所数は平成29年現在で全国84,604事業所のうち24,482事業所28.9%しか取得していません。

よく目にする割には少ない印象を受けますが、取得事業所は所有台数の多い企業が多く認定数の割には見かけることが多いですね。

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年々増加傾向にありますが個人的な予想では5年後35~40%付近で頭打ちになるのではないかと思っています。

 

 

Gマーク認定率

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これ調べてて思いましたよ。認定率高っ!

やっぱ簡単にとれる認定なんじゃないの?と思ってもおかしくないですね…。

1年に1回7月しか申請できないことと、先程も言ったとおり年間を通して行う項目があるので「所得を目指す事業所は必ず取る意識が高い」ことが認定率の高さに繋がっているといえます。

記念受験感覚で申請する事業所が認定されるほどハードルが低くないですからね。

 

 

 

Gマーク認定制度評価基準

 このGマークの評価基準はどのようなものなのかを見ていきます。

大きく3つの項目に分かれ各項目でさらに小項目があります、この3つ(100点満点)すべてで基準点以上を満たし、さらに合計80点以上を満たさなければなりません。

  • 安全性に対する法令の厳守状況40点満点(基準点32点)
  • 事故や違反の状況40点満点(基準点21点)
  • 安全に対する取組の積極性20点満点(基準点12点)
  • 法に基づく認可申請、届出、報告事項が適正になされていること
  • 社会保険等の加入が適正になされていること

この書類すべてを用意すると大体参考書1冊程度の厚みになります。

80点以上とれば認定となりますが100点満点を取ると特典が用意されていて、次回更新時に申請書1~2枚程度で更新できます。

できれば100点取りたいとこですよね?

ちなみにうちの会社は87点でした。初回申請で全て自分でやった点を考慮すればよくやった!ことにしておきましょう。

下の2つに関しては通常の運送事業者であればほぼ間違いなく問題ない項目ですが、台数の申請報告と実際が違うことや、運行管理者・整備管理者などの変更が遅れていたりすることがありえますので再度確認をしましょう。

 

 

Gマークメリット

Gマークを取得すると取引が優位にできたり、運送料金の値上げができたりと売上に直結する部分がないことも取得率が低い要因です。

取引条件にGマーク取得がある荷主も多少増えてきているようなので将来的な売上への影響の可能性は高いと言えます。

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特段目立つ項目はありませんが、事業所数がいくつかある企業であれば「IT点呼の導入」、「点呼の優遇」はメリットとして大きいものがありますが、本社しかないような企業では「保険料の割引」くらいですね。

保険料の割引」も貨物保険のみで対象の保険会社もかなり限定的となります。

中小零細企業では必要ないと判断されても仕方ありませんね。

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運送業にやっと荷主勧告制度が出来たが効果は薄そう

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運送業(ドライバー)の労働時間はとにかく長い

 以前こちらの記事で少し触れましたが、トラックドライバーの労働時間というものはとにかく長い。

yojichichikun.hateblo.jp

 平均12時間以上働き長距離のドライバーであれば数日家に帰れないこともあります。

給料も安くプライデートな時間もない。」これでは特に今の時代の次世代を担う若者がトラックドライバーになるわけありません!

トラックも自動運転の開発、実験を行い人手不足解消に力を入れていますが、まだまだ先は長く1人が1つの車を運転する今のスタイルは当分変わらないでしょう。

物流がないと困る企業さんは多くいると思います。

そこで国が「労働時間削減」に対してちょっとしたルール変更をしたので、中身を見ていきましょう。

 

 

標準貨物自動車運送約款の改正

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自動車運送事業(一般貸切旅客自動車運送事業を除く。)の
監査方針について

 

トラックドライバーの労働時間が長い要因として

  • 附帯作業(荷物を指定場所へ運ぶ、ラベルを貼るなど)
  • 積込み、取卸し
  • 荷主都合の待機時間

この3つが大きな要因となっている企業は多いです。

あくまで運送の仕事はA地点→B地点に運ぶことが仕事であり、その他の作業は運送の仕事とは異なります。

ですが上記3つのことをドライバーが運送料金の中で行って、それを「付加価値」として提供したことにより今ではそれが「ごく当たり前」となってしまっているのが現状です。

荷主都合の待機時間も「卸せないんだから待つのが普通」となっていますので、多いとこでは労働時間の半分は待機時間なんて話も聞いたことがあります。

そこで新たに平成29年11月より「標準貨物自動車運送約款の改正」を義務付けました。

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この画像のとおり「運送にはうんそうの対価」を、「附帯作業、積込み・取卸し、荷待ち時間」にはその対価を分けるように運送業者へ通達がきました。

 

例:改正前

運送費10,000円(その他込々)=合計10,000円

 

改正後

運送費10,000円+附帯作業5,000円+積込み・取卸し5,000円+荷待ち時間30分以降30分毎5,000円=合計25,000円

 

 

例では同じ運送で料金が2.5倍となり、運送業者にとっては適正運賃で非常にありがたい改正となります。

しかし、この「標準貨物自動車運送約款」には拘束力がなく、すぐさま運送料金アップへつながるほどの効果はないでしょうが、運送業というブラックな業界にやっと手を差し伸べてくれたとに感謝しますかね。

 

 

トラックドライバー荷待ち時間記録義務化

標準貨物自動車運送約款」の改正前に平成29年7月1日より運送事業者へ貨物自動車運送事業輸送安全規則一部改正に伴い「荷待ち時間記録義務化」が行われました。

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グラフのとおり、1運行に対する「荷待ち時間」が

1時間~2時間26.4%

2時間~3時間13.6%

3時間以上  15.1%

と「待ちが多い」ことが物流業界全体で見て取れます。

トラックドライバーの拘束時間が多い要因として「荷待ち時間」の改善は急務でありますが、運送業者では対処できません。

このことから国土交通省が『乗務記録へ1運行30分以上の荷主都合の荷待ち』があった場合には記録することを義務付け、その記録を元に国土交通省から長時間労働を生じさせている荷主へ勧告等を行うにあたっての判断材料とするようです。

以前から荷主が労働時間を無視した指示や強要をしていた場合の荷主勧告制度がありましたが、とりあず制度だけつくっとけ感満載で機能していたとは言えません。

この制度に本腰を入れた形が今回の「荷待ち時間記録義務化」でしょうね。

 

先日あった弊社での実例

2019年実際に弊社が取引する大手企業での出来事…。

運送会社30社ほどを集めての会議があり、一通りの流れを終え待ちに待った「質疑応答」のお時間、私を含め数人が当然のごとく待機時間に関する質問でした。

しかし、荷主さんからは「現在検討しています。対応はしっかりしていきます。」と、まさにマニュアルどおり…まだまだ先は長いかもしれません。

まとめ

まだまだ序章に過ぎない感はいなめませんが、これからより一層トラックドライバーの働きやすい環境改善に繋がればと思います。

また、それに伴い運送会社としての改善策も見つけていくつもりです。

 

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